リスクをとらない、リスクを考える。

RISK EDGE

投資は自己防衛の手段。リスクをとる力を鍛えよ。(1/2)

サブプライム問題から発した世界経済の崩落は今も続く。10年後の自分のために、今何ができるのか? ̶それは投資をして知識を蓄積すること。
田嶋智太郎 = 文 text:TOMOTARO TAJIMA

投資は自己防衛の手段。リスクをとる力を鍛えよ。(1/2)

2009年はリスク資産への投資の好機となる!?

 いま日本経済は強烈な勢いで悪化している。バブル崩壊後のデフレ不況も確かに厳しいものであったが、今回の厳しさはその時をはるかに上回るものとなりそうだ。

 その一因は、目の前で進む「円高」にあるとされる。なぜ、これほどまでに円だけが買い進まれるのか?

 ひとつの理由として、世界各国が同時に金融危機と実体経済の急激な悪化に見舞われるなかで、他の国の状況に比べれば「日本はまだマシ」という見方があるという事実がある。加えて、米国を中心に各国がかつてない金融緩和を実施しているのにもかかわらず、日本の政府・当局の政策対応が遅れているという点も見逃せない。これは国内の政治が混乱を極め、政権のリーダーシップが発揮されていないこととも無縁ではない。つまり、こうした問題を抱えている限り、大きな流れとしての円高はいましばらく続くこととなり、ますます日本経済の厳しさは増すことにもなるのだ。

 もちろん、円高の原因を日本の金融政策だけに押し付けるのは少々酷である。為替相場には必ず相手があるのであって、その相手であるドルやユーロ、ポンドなどがあまりに弱いため結果的に円が買われてしまっている......。

 欧米景気の先行きが見通しにくい状況である以上、さすがにいるというのだから、もはや救いようがない状況なのかもしれない。

 とはいえ、いま足元では主要国をはじめ世界各国が「100年に一度の危機」に対して「100年に一度の対策」を試みている。結果、さすがに2009年の半ばから年末にかけて、その効果は徐々に表れてくることとなろう。少なくとも「米国の景気は2010年にも底入れし、緩やかに回復に向かう」という兆しぐらいは、2009年内にも見えてくるのではないだろうか。仮に、米景気に回復の兆しが見えてきた場合、一時的にも一段とドルは売り込まれる(=相当程度のドル安・円高が進む)可能性がある。この場合、円は他の外国通貨に対しても一段と買い進まれる可能性が高く、連れて日経平均株価にも相当な下押し圧力がかかることとなろ新興国の成長スピードも鈍化しやすく、ゆえに当面は原油をはじめ国際商品の市場価格も上値を追いにくい。投資家の立場からすれば、日本・ヨーロッパ・アメリカの株式もダメ、中国やインドをはじめとするBRICsの株式もダメ、資源国の株式もダメならコモディティ(国際商品)もダメ......と、まさに八方塞がりの状況にも思える。日本国内は依然として低金利で、おまけに賃下げや雇用調整の懸念まで目の前に立ちはだかっているというのだから、もはや救いようがない状況なのかもしれない。

田嶋智太郎(たじま・ともたろう)
田嶋智太郎 たじま・ともたろう

経済ジャーナリスト。証券会社勤務を経て、現職。株式・外為・国際商品市場に通じ、関連書籍や連載、講演、テレビ&ラジオ出演と幅広く活躍。著書に「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など。

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