とはいえ、いま足元では主要国をはじめ世界各国が「100年に一度の危機」に対して「100年に一度の対策」を試みている。結果、さすがに2009年の半ばから年末にかけて、その効果は徐々に表れてくることとなろう。少なくとも「米国の景気は2010年にも底入れし、緩やかに回復に向かう」という兆しぐらいは、2009年内にも見えてくるのではないだろうか。仮に、米景気に回復の兆しが見えてきた場合、一時的にも一段とドルは売り込まれる(=相当程度のドル安・円高が進む)可能性がある。この場合、円は他の外国通貨に対しても一段と買い進まれる可能性が高く、連れて日経平均株価にも相当な下押し圧力がかかることとなろう。
しかし、米景気に回復の兆しが見えてくれば、欧州景気の先行きに対する期待感も高まるだろうし、欧米景気の先行きが改善してくれば新興国の成長スピードもひと頃のレベルに戻るだろう。そうなれば、まずは欧米の株式や新興国の株式にはじまり、延いては資源国の株式、原油をはじめとするコモディティ価格なども底入れから反発に転じる可能性が高い。必ずしも「いまが好機」とは言えないのかもしれないが、年間を通して考えると「09年は目の前でボロボロに安くなった外国株や外国通貨、コモディティなどを安値で買う絶好のタイミング」だと考えることができそうだ。
おそらく、消去法的に円が買われやすい状態は2009年一杯続く。ただ、いずれ欧米景気が明確に回復軌道に乗り、景気拡大が加速しはじめると再びドルやユーロなどに買いが入り、逆に円は売られはじめるだろう。つまり、再び円安基調に転じるわけだが、そうなった場合、今度の円安はかなりキツイものとなる。なにしろ、日本は人口減少時代に突入し、今後、国内総生産(GDP)はマイナス成長を続けることになりそうなのだ。結果、税収も減るため、国家財政は厳しさを増し、政府は緊縮財政や増税を実施せざるを得なくなる。これでは経済は活性化しない。まして、日本はこれまでも、そしてこれからも資源小国(=輸入国)なのである。そのような状況の日本の円に対して、世界の投資家たちは徐々に将来的なリスクを感じはじめるだろう。
当初は、行き過ぎた円高が修正されることを好感するだろうが、いずれ許容の範囲を超えた円安となり、今度は円安が日本を苦しめる。現在、世界の人口は約67億人だが、遅くとも2050年には90億人を超えることが予想されている。結果、今後も長らく資源・エネルギー、穀物など国際商品の供給不足状態は続き、当然、いまは調整局面にある国際商品価格も中長期的に見れば上昇し続ける。国際商品価格が現地通貨建てで上昇し、さらに円安が進むとなれば、日本は二つの原因がもたらす輸入品の価格高に見舞われることとなるのだ。そうした事態に対応するためには、手持ち資産の一部を「外モノ」にシフトさせるより他はない。海外の通貨や株式、国際商品などに分散投資することにはリスクが伴うが、苛烈な「輸入インフレ」というリスクに対抗するにも、リスク資産への投資をためらうべきではない。


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