長い仕事人生。20代でうんと苦労せよ。
コンサルティング業界のみならず、日本の流通・サービス業界における立志伝中の人物。76歳を迎えた現在も、東証・大証一部上場の船井総合研究所を筆頭に60余を数える企業グループの象徴的存在として、講演に執筆に精力的な活動を続ける。
成功者はときに排他的なオーラを身に纏うが、船井氏にそれはない。壁を感じたことがあるかという不躾な質問に対しても、泰然とした口調で、半世紀以上前にまで遡る20代の記憶を語ってくれた。
「最初は就職の壁やね、厳しい不況のときに大学を卒業したんで。昭和31年やったかな、僕が出た京大でもまともに就職できたのは5割以下だと思う」
就職の壁は、現在も多くの若者が直面している問題だが、その数年後に新たな壁と対峙することになる。組織の壁だ。
「人の下で働くのは性に合わない、と悟ったんやね。4年ほどかかったかなあ。起業するより仕方がないと。新卒で勤めた会社では、すぐに業界誌の編集と企業の安全に関するコンサルティングを任され、どちらも向いていると感じたのだが、若くして抜擢されたからか周囲との軋轢が生まれて。組織の枠では生きていけんことがわかった。だから独立という道を選んだ」
