たくさんの「ありがとう」を集めること。それが今も昔も、目指してきたもの。

若かりし頃、「日本一の外食産業」を目指した起業家は、社会貢献を第一義とするトップ経営者に仕上がった。
理想を具体化する、今日の礎となったものは何か――!?
命を削る覚悟をもって仕事に打ち込むこと
全国を網羅する飲食チェーンを一代で築き上げ、近年は介護事業や農業などにも幅を広げる。マスメディアを通じてメッセージを発信する機会も多く、その人となり、そして言動は、多くのビジネスマンの注目するところであろう。
とはいえ、渡邉美樹CEOのこれまでの道程は、決して平坦ではない。人生でも事業でも幾多の挫折を経験し、それを糧としてきたからこそ、今日の立場と世に伝えるべきメッセージが確立された。
そんな渡邉氏に、「20代になすべき最も重要なこと」を尋ねると、明快にして簡潔な回答が得られた。それは、命を削る覚悟をもって仕事をすること――である。
「人生の中で純粋にプロでいられる時期って、20代の時しかないんですよ。僕はよくうちの社員に、仕事・家庭・教養・財産・趣味・健康という"6本の柱"のバランスこそが幸せの根幹だと話しています。けれど、このバランスを崩しても成立するのは20代だけなんです」
趣味や財産は、あとから取り組むことも構築することも可能。教養にしても、高齢者の生涯教育が充実している今日なら、必ずしも急を要するものではないだろう。そういったファクターよりも優先すべきは、「20代のうちにプロへの入口にたどり着くこと」だというのが渡邉イズムの一端だ。
「どんな思いをしてでも、20代のうちにプロへの扉を開けることができなければ、一生何もできずに終わってしまいます。仕事に限らずスポーツでも何でも、一流になる人物というのは、人生のある時期に、寝食すら忘れてそれに打ち込んだことのある人たちですから」
かくいう自身も、20代の頃は経営以外には目もくれない日々を過ごした。

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